バナナ豆知識集 黒いとこは？原種は？ピンクのバナナ？なぜ黒く？
イエローベリー
まず、バナナは植物学的にはベリー類である。
内部の種子と果肉に覆われた果皮、または果実本体によってそのように分類されるのだ。
ベリーはブルーベリーを想像すると分りやすいが、よく見られる特徴は薄い皮と多肉質の果実である。
ブドウもベリーだし、実はトマトや唐辛子もナスもベリーだ。感覚的には全然納得できないけれど分類的にはそうなのだ。
そしてバナナもベリーである。これからはイエローベリーやホワイトベリーと呼んだらいいかもしれない。
ちなみにストロベリーやラズベリーはこうした科学的な分類ではベリーとは呼ばないのだ。ややこしいが。
ピンクもある、黄色だけではないバナナ
黄色いバナナが一般的だが色は黄色だけではない。赤、ピンク、紫、縞模様など、さまざまな色のバナナがある。まるでフォトショップでも使ったみたいな凄まじい鮮やかさである。ちなみにバナナの品種は現在世界に1000種ほどもあるのだ。
バナナの黒いとこは何？ 種ありバナナから種なしバナナへ
市販のバナナ、特にキャベンディッシュ種は単為生殖で、受精せずに成長するため種子がない。
本来の野生のバナナにはスイカのような硬くて大きな種がたくさんある。私たちが慣れ親しんでいる種のない品種とは全く対照的である。
この種なしのバナナの誕生は最近8000年から5000年ほどの間の話である。種なしの本来消える突然変異のバナナを人間が芽を使った苗栽培で増殖させたのだ。
ちなみに現在世界中でメジャーなキャベンディッシュバナナは、Musa acuminataとMusa balbisianaという2種の野生バナナの雑種である。これらの野生のバナナは実はどちらも硬くて大きな種でいっぱいだが選択的品種改良によって現在のような種のほぼないものが完成された。
その名残りは現在のスーパーマーケットで買ったバナナでも見られる。内部にある黒い点のようなものは種子の名残なのである。
木ではなく草 まだまだあるバナナの驚愕トリビア
またバナナは木ではない。頑丈な「幹」によって木のように見えるだけである。
東南アジアを原産とするバナナは、人類の移動と交易によって世界中を旅し、現在では130カ国以上で栽培されている植物だ。
栄養面では、バナナにはビタミンC、カリウム、B6などの必須ビタミンやミネラルが豊富に含まれ、食物繊維も豊富で、心臓の健康から消化器系の健康まで、さまざまな健康効果が期待できる。特にカリウムはバナナの栄養面での代名詞ともいえるだろう。シンプソンズでもカリウム不足だからバナナで補えなどと言っているシーンがあった。
この果物は筋肉けいれんを防ぐのに役立つ、糖分とカリウムを素早く放出する組み合わせのため、アスリートに人気のあるフルーツでもある
歴史的には、バナナは常に生で食べられるとは限らず色々な調理がある。フィリピンでは串にさして揚げ物にする料理もあり実際に自分も食べたが美味しかった。他にはチップスや、また、ワインやビネガーを使う料理など様々ある。未熟な青いバナナはカレーなどにも使われる。
バナナの葉も天然の生分解性のお皿だ。東南アジアや南アジアでは実際にレストランで見かけることも多い。
バナナはカリウムを多く含むためわずかにカリウム40といった放射性物質を含んでいる。もちろん気にする必要はなく安全だ。
パナマ病という脅威がある。パナマ病は以前は優勢だったグロ・ミッシェル種を絶滅させ、現在はキャベンディッシュ種を危険にさらす真菌感染症である。
こうしたものは単一栽培農業にとってはかなり危険といえる。余談ではあるが、昔フランスのワインブドウなども大規模にこうした病気に襲われたことがあった。意外に歴史をたどるとこうした植物の大事件は起きている。
ただし科学者たちはCRISPR遺伝子編集技術を用いてパナマ病やその他の脅威に耐性のあるバナナ系統を開発し対抗しようとしている。人類とフルーツ連合による反撃の予兆である。
なぜバナナは黄色なのか？ A.緑が消えるから
バナナは他の植物と同じように緑色のクロロフィルを含む葉緑素がある。そのため最初は緑色をしている。
これが熟すにつれてクロロフィルの異化が起きる。クロロフィルが分解されて緑色が薄くなるのだ。そして同時に、クロロフィルの分解によりバナナにずっと存在していた黄色の色素であるキサントフィルが見えるようになる。
つまり緑色が減って黄色が見えるようになった結果が黄色いバナナである。
バナナが黒くなるのはなぜ？
バナナの皮が黒くなるのは、酵素による褐変と呼ばれるプロセスによるものだ。
バナナが熟し続けると、ポリフェノールオキシダーゼと呼ばれる酵素が空気中の酸素と相互作用する。
そうするとバナナ中のフェノール化合物をメラニンに変化する。こうしてこげ茶色や黒色になるのだ。
つまり酸化したバナナが黒くなるのは人間の日焼け防護機構と同じメラニン色素なのである。
余談であるが植物ホルモンであるエチレンガスに晒されたり、傷がついたりするとこのバナナの黒くなるスピードは速くなる。
それは熟成や傷で細胞壁が弱くなり酵素活性が進みやすくなるからだ。
長持ちさせるには？ 温めるのも冷やすのもバナナは苦手
暖かい状態で保存すると早く熟成して、すぐ黒くなってしまった。高湿度でも熟成が進み黒くなってしまう。
なので冷蔵庫に入れよう、と考えた方、それはそれでやめた方がいい。熟成は遅れるのだが皮は低温障害が起きてバナナの皮もっと早く黒くなるのだ。。
ということで普通の暑くない日陰が一番だ。
ただし、他の果物、例えばリンゴやナシ、メロンや桃があるところに一緒に保存は避けよう。エチレンガスが出ていて熟成が進んで黒くなる。
庭の道沿いの日陰に置く？それも避けよう。車が通ったら排気ガスがかかる。そしてその中には植物が反応するには十分なエチレンガスが入っている。(そもそも排気ガスがかかるのが嫌なのは置いておいて)
以上を気を付ければ黄色い状態を長く保てるはずだ。
ただ、一番は早く食べるのが一番の解決策という話ではある。
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