グリズリーの世界最大記録
3m75センチ。これは肩までの高さである。
身長は4.2m。
実感のために例えを述べたい。2メートル10センチの人の上に2メートル10センチの人が載っているようなものだ。
つまりプロレスラーのハルクホーガンの肩にMLBのピッチャーのランディ―ジョンソンが立って少し手を挙げたくらいの高さである。世代的にわからなかった方はアンダーテイカーの肩に立ったレブロンジェームズでも大体同じだ。
重さは720キログラム、0.72トンと言った方がいいだろうか。
同じ哺乳類の動物であるが、どちらかと言えばもはや車に近いかもしれない。。
そもそもグリズリーってどういう意味?
グリズリーベアという名前はその毛皮のグリズリー(grizzled)な外観に由来する。grizzleは灰色や白髪という意味である。特に背中と肩の毛の先端が灰色だからこう呼ばれる。
実際にはグリズリーの毛色は灰色、ブロンドから茶色、そしてほとんど黒に近いものまで様々である。肩の筋肉質なこぶが特徴的でツキノワグマと区別される。(といっても大きさで大体わかるが。)肩のこぶは彼らがしばしば行う集中的な掘削作業に必要な筋肉によるものである。
この北アメリカのヒグマはその手ごわい大きさと特徴的な外見から象徴的な存在であり、生息する地域の先住民の民間伝承においても出てくる。その白髪の毛色から神話ではしばしば長老の知恵を表す存在である。
グリズリーベアのプロフィール
成熟したグリズリーの体長は6フィートから9フィート、メートルで言うなら1.8mから2.7mだ。体重は400ポンドから800ポンドの間だが、1000ポンド、つまり450キロを超えるオスも記録されている。
グリズリーは、体長6~9フィート、メートルで言うなら1.8mから2.7mだ。体重は400~800ポンド、中には1,000ポンド(450キロ)を超えるオスもいる。一般的にオスのグリズリーはメスよりもかなり大きいことが多い。
しかし子供はこんなサイズである。リアルテディベアだ。
どこに住んでる?
アメリカ、カナダが個体数が最も集中している主要国である。アメリカのグリズリーの個体数は約1,800頭と推定され、その大部分はアラスカに生息している。カナダには約25,000頭のグリズリーが生息している。
メキシコのグリズリーは?と思った方もいるかもしれないがメキシコは個体数は驚くほど少なく、1960年代後半に最後の目撃例があり、それ以降この地域では絶滅したと現在では考えられている。
グリズリーの生息域は、食料源の有無にもよるがとんでもなく広大だ。夏には標高の高い場所に移動し、秋にはサケの遡上に移動するなど、季節ごとに異なる食料源の入手状況に合わせて移動することが知られている。その結果として海のミネラルを山に撒くことができる。森林やそこで育つ生物など、生態系でとても重要な役割をしている。
他の大型肉食動物と異なりグリズリーは縄張り意識が強いわけではない。頻繁に出没する生息域はあるがその範囲は他のクマと重なることが多い。グリズリーの生息域の広さは、その地域の豊富な食料源によって変動してくる可変的なものだ。
巣作りに関して言えば毎年新しい巣穴を掘るわけではない。通常北向きの斜面にある巣穴を再利用することが多い。これらの巣穴は断熱効果があり、通常丘の側面や木の根の下に掘られる。
好きな食べ物は?
寿命に関しては、飼育下のグリズリーは最長で30年生きる。「ギズモ」と名付けられた最高齢のグリズリーは、カナダの野生動物保護区で50歳という驚異的な年齢に達した。これは、通常20年から25年である野生での寿命の二倍ほどだ。
グリズリーは雑食性である。具体的には植物、昆虫、動物を食べる。その食性は季節によって変化し、ベリー類、ナッツ類、果物から魚類、小型哺乳類、腐肉まで多岐にわたる。げっ歯類を掘ったり、蛾や甲虫のような昆虫を大量に食べることも知られている。
「グリズリー・ガルチ」で知られるサンフランシスコ動物園には、保護されたカチーナとキオナの姉妹がいる。動物園はこのような展示を通してグリズリーを尊重し保護するよう人々に呼びかけている。
彼らには天敵がほとんどいないため、死亡率のほとんどは人間との接触やクマ同士の競争によるものである。
現在、グリズリーの個体数が減少した地域ではグリズリー回復プログラムが実施されている。これらのプログラムには生息地の保護、クマの安全に関する一般市民の教育、クマと人間の衝突を減らすための規制などが含まれ、グリズリーの数を持続的に増やすことを目的としている。
グリズリーの能力 鼻は炭次郎並み
実はグリズリーは泳ぎがも得意である。大きな水域を渡ることができるのだ。このスキルはカナダのブリティッシュ・コロンビア州の沿岸のような、餌を求めて島と島の間を泳ぐような地域では特に役に立つ。
更に彼らは優れたハンターであり漁師でもある。サケの産卵期には、川に立ち、その強力な顎や前足を振ってサケを捕らえる。
そして魚が豊富にいる地域では最早何もしない。魚が口に入ってくる武の極致である。(魚視点のVRで見たら地獄であろうが…)
グリズリーの視力や聴力は人間並みである。しかし嗅覚は犬よりも鋭いのだ。2020年に日本で映画が大ブームになった鬼滅の刃の主人公の炭治郎並みである。彼らはこの鋭敏な嗅覚のおかげで普通の人なら迷ってしまうような森の中で、餌の位置や仲間の位置を特定することができる。ときには遠距離にいる潜在的な脅威を察知することもできる。(そしてそれは往々にして別の熊だったりする)
体が大きく力も強いにもかかわらず前足は驚くほど器用である。物体を操作したり岩をひっくり返したり、採食の際にかなり正確に掘ったりすることができる。この手先の器用さは木や地面に残された跡を通してコミュニケーションをとる際にも使われている。
また、長い爪は湾曲しており伸縮しないため、掘ったり裂いたりするのに役立つ。大きなパッドと幅の広いつま先を持つ足の構造は、起伏が激しく変化に富んだ地形でトラクション、つまりは摩擦を稼ぐのに役立つ。
ボディランゲージ、発声、上記の匂いによるマーキングなど、複雑なコミュニケーション・システムを持っている。うなり声、うなり声、鼻息で様々な感情や意思を表現する。体を木にこすりつけるのは引っ掻くためだけでなく自分の匂いを残すためでもある。
グリズリーの家族
母グリズリーは通常、冬眠中に1~4頭の子グマを出産する。これらの子グマは目が見えず毛がなく、出生時の体重はたった1ポンドほど、グラムでいうなら450gほどしかない。
子グマは最長2~3年間母親と一緒に過ごし、その間に母親は子グマに狩りや魚釣り、採食を教える。
若いクマは遊びをする。この遊びは単なる娯楽ではなく戦いや狩りのようなサバイバル・スキルを学ぶのに役立つ彼らの成長にとって重要な部分である。内容としてはレスリングをしたり追いかけっこをしたり、また、物で遊んだりする姿がよく見られる。
熊の冬眠ってどうしてるの?
厚い毛皮と充実した脂肪層は、体温を維持し寒冷地で生き延びるのに役立っている。この適応は厳しい冬の間、特に冬眠中の生存に不可欠なものだ。
冬眠の準備として、グリズリーは過食と呼ばれる段階を経る。この時期には、相撲取りやプロレスラーも驚きのカロリー、1日になんと20,000キロカロリーものカロリーを摂取する。そして毎日数キログラムの脂肪をつける。
冬眠中、グリズリーは心拍数が1分間に40~50回からなんと10回にまで低下する。にもかかわらず、冬眠中は飲食、排尿、排便をしない。その代わり、尿をタンパク質にリサイクルし、筋肉の減少を防いでいるのだ。
最後にこちらを。グッド評価1000に対してバッド評価が490もついている動画である。寝ていたら家を破壊されて強制立ち退きによる寝起きはさすがに誰しも我慢できるものではない。熊を好きな人も嫌いな人もこれは熊側の味方である。グッド評価はクマに共感してうっかり笑っちゃったからだと個人的には思っている。
彼が森の奥に逃げたあと良い二度寝が出来たことを祈らずにはいられない。
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