コモドドラゴンの雑学 寿命は?大きさは?
コモドドラゴンの寿命は爬虫類としては非常に長い。子供が大人になるまで8年ほどの期間であり、飼育下の寿命としては30年ほどだ。ただし寿命に関してはより具体的にいうと、ケースバイケースな面が大きい。
一般的に動物は飼育下の方が寿命が長くなる。外敵やエサ不足の心配もないからだ。
しかしコモドドラゴンは野生の方が寿命が長いと言われているのだ。それは50年だ。まさかの20年プラスである。
更に、研究者によると理論上彼らは60年生きられるという見解もあるのだ。
さて次に大きさ。コモドドラゴンは現在地球にいる中で最大サイズのトカゲだ。オスの体長は3m、体重は大きい個体だと100キログラ近くにも達する。
メスは少し小さいが、それでも2.5メートルだ。大谷どころかNBAのシャキールオニールやWWEのビッグショーより全然大きいサイズ感だ。
そしてこうした外見にもかかわらずコモドドラゴンはかなりのスピードが出せる。約時速20キロの速度に達することができる。自転車に乗っていれば逃げられるが、運動不足の人が脚で走るとなると追いつかれるくらいの速度だ。
参考に言うと時速20キロはトッププロの人間のマラソンランナーの走っているときの平均速度である。
最強のオオトカゲの悲しすぎる毒のはなし
まず過去に酷いことを彼らは言われていた。彼らコモドドラゴンは危険だ。噛まれて痛いだけではない。噛まれたら口の中が汚すぎるからそれで獲物が死ぬのだと。
これは現在では間違った説とされている。
獲物がやられるのは汚い唾液ではなく毒のせいである。
歯には毒の管があったし、毒はちゃんと危険な狩り用のものだったのだ。
噛まれると傷口に入るその毒によって獲物の血液は固まりづらくなる。筋肉も硬くなる効果があって噛まれた動物は死に至るのである。
これは2000年代以降に発見された事実なのだが、それまではずっと、口の衛生状態が悪すぎて唾液が細菌だらけと言われていたのである。その汚い口から有害な細菌が獲物の傷に送り込まれて、それによって獲物の血液が汚染されて死ぬのだと長くずっと言われてきた。
もう一度言う、これは誤りである。
彼らは歯磨きはしないが口の中は他の動物程度には綺麗だと現在では確認されている。
以上、可哀そうなコモドドラゴンの歴史である。。
まだまだあるコモドドラゴンのトリビア デスロールもするよ
コモドドラゴンのハンティングでは、その有毒な噛み傷の攻撃に加えて、獲物に傷をつけ、相手が屈するまで何日も辛抱強く追いかける過酷なものだ。ただしハンティングの基本スタイルは待ち伏せだといえるだろう。
技として獲物を揺さぶって死に至らせる独特の方法を持っている。いわゆるデスロールと呼ばれる行動である。 聞いたことがある方もいるかもしれないがワニも同じ技術を持っている。
彼らの皮膚はオステオダームと呼ばれる小さな骨で補強されている。これが天然の鎖帷子の役割を果たし、他の大きな獲物に噛まれるのを防いでいる。
彼らは泳ぎが得意で生息するインドネシアの島々を行き来できる。
ただし個体数はインドネシアの島々、すなわちコモド、リンチャ、フローレス、ギリモタンのほんの一握りに限定される。もちろん彼らはこうした島の固有種だ。
また、このトカゲは並外れた嗅覚を持っている。人間は鼻から空気を吸い込んで鼻の上部で化学物質を臭いとして感じるが彼らは少し異なる。叉状の舌を使って空気中の匂いの粒子を拾い、口の中の特殊な器官で分析するのだ。
彼らはシカや他の餌動物の個体数をコントロールすることで、生態系における重要な役割も果たしている。
メスは単為生殖能力を持っている。単為生殖とは母親がオスを必要とせずに生存可能な子孫を残すことができる無性生殖の一形態だ。爬虫類にはあまり見られない。
複雑な社会生活を営んでおり、オス同士の熾烈なレスリング・マッチによってヒエラルキーが確立される。
もちろんトカゲなので彼らは優れたクライマーでもある。特に若くて体重が軽いときには、その強力な爪を使って簡単に木に登る。そして若いコモドドラゴンは共食いから避けるためにこの木登りスキルを利用している。
コモドドラゴンは肉食であり、無脊椎動物、鳥類、哺乳類を含む様々な獲物を食べることが知られている。彼らは、鹿、豚、さらには水牛まで食べらえる。コンドルやハイエナのように、腐肉なども消費する。
顕著な消化能力。彼らは食べ物の大きな塊を飲み込むために、その柔軟な顎を利用してなんと一度の食事で体重の80%まで食べることができる。
コモドドラゴンは巣穴で眠る。
これらの巣は彼らが若いときに温度の極端な変化や捕食者から彼らを守る。巣穴は涼しく広い。大人のコモドドラゴンはまた、日中の最も暑い部分の間に日陰を見つけるために、夜の間に暖かく滞在するために、密な植生や洞窟の中でも寝ることができる。
彼らは太陽の下でのんびりと写真に撮られる光景が一般に浮かぶかもしれない。
しかし無防備な獲物をキャッチするために待ち伏せ戦術を採用しているだけだ。動くときは速い。
年を取った成体のコモドドラゴンは小さい、つまり若いコモドドラゴンを捕食する。共食いに従事することが知られている。
一方、若いコモドドラゴン側は年長者による共食いを避けるため、かなり珍しい生存戦略を持つ。彼らは糞便で体を覆うのだ。そうすることで食事として自分をアピールしないようにするわけである。
コモドドラゴンは、彼らが最初に発見されたコモド島にちなんで命名された。
ドラゴンという名前からも印象的なその強力な顎と爪を彼らはもつ。しかし彼らは武器として使用することができる鞭のような尾も持っている。近寄る際は油断大敵である。
コモドドラゴンの唾液は血のような赤色で、しばしば最近獲物を食べたと誤解させる。しかし元からその色である。安心してほしい。
コモドドラゴンは人を襲う?
これまで記録がある限りだと、30人ほどが噛まれ、5人が死亡したという事実がある。
このように潜在的に人間を攻撃することができるのは確かだ。
ただ、攻撃につながるコモドドラゴンと人間の遭遇はそもそも珍しい。そして遭遇の際は人間だけでなくコモドドラゴン側も驚く。コモドドラゴンを見に多くの人がコモド島にやってきて彼らの近くで観察していることも考えればほとんど管理下では安全といえる。
ただし彼らがより攻撃的である交尾シーズン中には普段よりは攻撃リスクがあがるので要注意だ。
とにかくコモド島への訪問者は、安全な距離を維持し、これらの生き物の近くにあるときに公園レンジャーによって提供されるガイドラインに従うことをお勧めする。基本的には挑発しない限りは人間には穏やかというのが一般的な見方である。
コモド島って?
コモド島はインドネシアのスンダ列島の一部だ。インドネシアの首都ジャカルタがあるジャワ島、その横のバリ島、とそのまま島を東にたどっていくとある島だ。赤道より少し南に位置する。
そう書いた後に気付いたが地図を一目瞭然であった。(追記)
かなり小さい島なので見づらかったらプラスボタンで拡大してみてほしい。画面中央の小さな島である。
やはりコモドドラゴンの主な生息地であることのために世界的に有名である。火山列島であり、険しい地形、乾燥したサバンナの風景、モンスーン森林がある。豊かな自然であるが、比較的このあたりでは荒涼とした環境の島といえる。
コモド島の気候は、明確な乾季と雨季で、熱帯である。乾季は4月から12月まで、雨季は1月から3月あたりだ。島はコモド国立公園、コモドドラゴンとその生息地を保護するために設立されたユネスコ世界遺産の一部である。比較的厳しい陸上環境にもかかわらず、島はコモドドラゴン以外にも他の爬虫類、鳥類、哺乳類を含む様々な野生生物も支えている。
英語名ではない現地名 おっす!オラ!陸ワニ!
コモドドラゴン(Varanus komodoensis)は、20世紀初頭に欧米諸国によって発見された後、欧米の科学者によって命名された。
最初にこの動物の報告を受け、写真と皮膚のサンプルをジャワ島ボゴールの動物博物館の館長ピーター・A・ウーウェンスに送ったのは、オランダの植民地行政官ファン・ステイン・ファン・ヘンスブルック中尉であった。そして博物館館長ウーウェンスは1912年に最初の正式な記述を発表し、この種をコモドドラゴンと命名した。
ただしそれはヨーロッパの話である。地元の人々は彼らのことを、インドネシア語でオラ”Ora”または ビアワク・ラクササ”biawak raksasa”と呼んでいる。ちゃんと地元民が付けてくれた独自の名前を持っているのだ。
ということでオラはおっすをつけたくなるが悟空の一人称でもなければスペイン語の挨拶でもない。島の神話に基づくコモドドラゴンのローカルでの名前である。そして後者の”biawak raksasa”についてはより広範囲で使われる陸ワニという意味の名前である。
コモドドラゴンという名前もかっこいいので好きだが、既に述べたデスロール使いの硬い装甲を持った口の長い巨大生物というのを考えると、地元の人たちが名付けた、ビアワク ラクササ、この陸ワニという名前はコモドドラゴンより生物の特徴を抑えている彼らにぴったりの名前と感じられる。
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