ペンギンの雑学 語源からトボガンまで

動物

語源は全くペンギンじゃない鳥

「ペンギン」という名前はもともと、北半球に生息していた今は絶滅した飛べない鳥(Great Auk)に使われていたもので、後に南半球に生息するペンギンの名前になった歴史を持つ。

ペンギンという単語の語源はウェールズ語で「頭」を意味する「pen」と「白」を意味する「gwyn」である。つまり名前だけみたら白頭鷲のような頭の白い鳥を指すものである。

しかも現存するペンギンで頭が白い種はいないのだ。シロサイのシロが全く白と関係ない語源なのと同様だが、こちらはもっと関係ないおっちょこちょいのデマである。

ちなみにウェールズ語で黒は調べてみたところ「du」というらしい。なのでみんなドゥギンと呼ぶべきではないだろうか。(響きがかわいくないのでペンギンのままでいいか…)ちなみにウェールズ語の発音としてはペングウィンである。

トボガンとは? ウィンタースポーツの発明者ペンギン

彼らによく見られる行動に「トボガン」と呼ばれるものがある。足とヒレを使って氷の上を腹ばいになって滑る行動だ。世界初のソリやアイススケーターの元祖がペンギンといえるかもしれない。

このアクションはエネルギーを節約して素早く距離を移動するための効率的な手段である。そして効率などは関係なくとにかくかわいいので見てほしいのだ。

ペンギンの雑学

かわいすぎるペンギンのおくりもの

ペンギンの雑学について述べていこうと思うが、かわいいついでにまずは求愛の儀式から。特定の種のペンギンのオスはしばしばメスに愛情のしるしとしてプレゼントを贈る。さて、何を送るでしょう?

答えは…。

小石である。かわいすぎる。

ペンギンの能力

ペンギンとは何か。南半球、特に南極での生活に適応した生き物だ。彼らは多くの鳥のように飛ぶのではなく泳ぎや潜水で能力を発揮し一生の半分近くを海で餌を探し、陸上の営巣地にもかかわらず海への深い適応を見せている空ではなく海方向に飛ぶことに特化した変わった鳥だと客観的にはまとめられるだろう。

そのため彼らの翼の構造は空を飛ぶためではなく、水中での航行のために使われるヒレのように進化している。

彼らは鳥類では珍しいことでもないが発声によってコミュニケーションをとり互いを認識する。そしてこれは時には数万羽にもなる大コロニーで生活するペンギンにとって非常に重要なことである。

ペンギン、特に皇帝ペンギンの最深潜水記録はなんと565メートルに達する。酸素ボンベなしに強烈な水中圧力に耐える驚くべき能力である。

遠くから見るとペンギンはパフィンやギルモットのような他の飛べない鳥と間違われるかもしれないが、よく観察してみると更にユニークな適応が彼らを際立たせている。

一般的に陸上に適応した他の飛べない鳥とは異なり、ペンギンは先述の通り水棲動物のそれであり翼は泳ぐのに適応し、また、体は水中でのスピードに適した流線型をしている。そして滑らかな羽毛に閉じ込められた空気の層が浮力を与えているのだ。さらに、パフィンのような似たような鳥が北半球に生息しているのに対し、ペンギンは南半球にのみ生息している。

ペンギンの発見の歴史は人類の南半球探検と切っても切れない関係にある。18世紀のキャプテン・ジェームズ・クックなどの南極探検家による最初の目撃からこの鳥に対する認識と理解は深まっていった。

そして今では先史時代のペンギンには現代の子孫よりもはるかに大きく、中には人間の背丈ほどもある種が存在したなどの驚愕の事実が明らかになってきた。つまりバットマンの敵である「ペンギン」のような紳士たちが遥か昔には沢山いたのである。

なんか怖い。

さて、彼らは主に魚食動物であり、南氷洋生態系の食物連鎖の重要なリンクを形成する。オキアミ、イカ、さまざまな魚種などの海洋小動物を捕食し、かわいそうだがアザラシやシャチなどの捕食者の餌となる生態位置にいる。

ペンギンの糞尿(グアノ)についてもそうしたサイクルを考えると重要である。栄養循環に影響を与えその高い窒素含有量は陸上と海洋の生態系に影響を与えるからだ。つまりペンギンの営巣活動は地上の物理的景観に影響を与えるのである。

船員のことわざ 「ペンギンがいるところなら、嵐を恐れる必要はない」。これはペンギンがいるところは陸地や避難場所が近くにあることを示すことが多いという観察からきている。

地球の気温が上昇したり、また人間活動が生息地を狭めるなどの影響で、多くのペンギン種が個体数の減少に見舞われ、そのうちの数種が絶滅危惧種に指定されるに実際に至っている。彼らは南極の生態系の健全性を示す重要な指標として機能している。

ペンギンの種類

世界全体で18種のペンギンが確認されている。それぞれユニークな特徴を持つが、その代表例が皇帝ペンギンで現存するペンギンの中で最も背が高く体重も重い。

一方、コビトペンギンは最小種で、青みがかった羽毛が特徴的だ。

種類によって生息する環境も異なり、南極の極寒の地で繁栄するものもいれば、ガラパゴス・ペンギンのように温帯の気候区分の地域に生息するものもいる。

ペンギンの個体数でいえば、南極大陸が最も多く、エンペラーペンギンやアデリーペンギンなど数百万羽が生息している。次いで亜南極諸島とアフリカ南岸の一部で、アフリカペンギンなどが生息している。南米、特にチリやアルゼンチンにも、マゼランペンギンなど重要なペンギンの個体群が生息している。

動物園のペンギン

動物園で飼育されているペンギンは最長で20年生きることが知られているが、最高齢記録はエジンバラ動物園で36歳まで生きたミッシーという名のキングペンギンである。

彼らの世話は動物園の環境では管理可能だが、新鮮な魚の食事、温度管理された環境、泳いだり潜ったり社会化するのに十分なスペースと水など、かなりの資源と専門知識が必要である。ミッシーも凄いがエジンバラ動物園の飼育員も凄い。

デトロイト動物園は「ポルク・ペンギン・コンサベーション・センター」で知られ、かなり大規模で、多様なペンギンが飼育されている。

ペンギンは足が長い。しゃがんでいるだけだ。

逆にあまりかわいくない知識としては実は脚は結構長い。人間でいえばレインコートをきていつもしゃがんで歩いている人が靴のところだけがレインコートの下から見え、そこだけ脚に見えているようなものである。

赤ちゃんのようなよちよち歩きは無駄に脚を外に出して体温を下げない体の形状からの結果であろう。冬の寒い日に手足を伸ばして寝ると寒いので丸くなって寝たくなるのと同じ理屈だ。

ちなみに骨格標本でペンギンを見るとトイレに座っているプテラノドンのような感じだ。抱いていたかわいいイメージとはちょっと異なるかもしれない。。

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