マンモス豆知識 冷凍標本も発見された新生代の仲間

動物

マンモスは冷凍標本も発見された我々新生代の仲間である

マンモスを凄い昔の動物だと思っている方は結構多いのではないだろうか?

実はそんなことはないのだ。

こちらミイラなどを見るのは苦手な方は注意してほしいが出来れば見てほしい。

さすがに年月がたち生きているようには見えないが標本である。

何のか?

実際の冷凍マンモスの標本だ。

例えは悪いが冷凍庫の奥で食べるのを数か月忘れていた肉や魚のような、4万年の冷凍とは思えない保存具合で残っているのが実感としてわかってもらえるはずだ。

The Frozen Brain of a 40,000 Year Old Mammoth Discovered | 7 Days of Science

ジュラ紀? いいえ、同世代の動物です

マンモスはティラノサウルスやプテラノドンとは違うのだ。地球の歴史からすれば最近の生き物なのだ。

人類文明がすでに確立していたつい4,000年前まで、北極海のランゲル島のような離島でなんとか生き延びていたことが現在わかっている。

マンモス豆知識集 サッカーのようにフォーメーションも組んでいた

特徴的な長い曲がった牙はライバルとの戦闘以外にも役割がある。食料を求めての雪かきや仲間のマンモスを引き付けるためなどさまざまな目的に使われたと考えられている。

サーベルタイガーのような牙を持つがマンモスはゾウの仲間なので草食動物だ。草を主食としながらも、ハーブ、低木、コケ、花など、さまざまな植物を食べていた。

mammoth-241964_1280 マンモス豆知識 冷凍標本も発見された新生代の仲間

またマンモスと現在のゾウの間には、数百万年前に生息していた共通の祖先がいることがわかっている。そして2種の類似性から遺伝子操作技術によってマンモスを復活させるという研究も続けられている。

彼らの社会構造は現代のゾウの社会構造を反映しているといえる。メスとその子どもからなる母系家族集団で生活するのだ。

成人オスは孤独な生活を送るか、緩やかな独身者集団を形成し、繁殖期の間だけ家族集団と交流していたと考えられている。

更にマンモスの足跡化石からは彼らの社会的行動のさらなる側面を明らかにしている。例えば大きな足跡が小さな足跡の周りを囲んでいるように見える例があり、これは、危険が存在するときに成獣が若いマンモスの周りに、まるでストーンヘンジのように防護壁を形成していた可能性を示唆している。

例外はあるがマンモスは基本的に全体が寒いところ仕様の生き物である。密集したボサボサの毛、断熱のための背中のこぶ状の脂肪層、そして深い雪を掃き集めて下の植物に到達するための長く曲がった牙。彼らマンモスは更新世の氷に覆われた地形での生活に適した寒冷気候への適応の塊といえる。

生息していた範囲は非常に広く、スペインポルトガルのイベリア半島中国やシベリア、そして北米まで世界各地に及んでいた。

最初にも述べた比較的最近の痕跡が残るランゲル島は、こちらのビデオを見てもらえればわかると思うがロシアのかなり東側にあるアジアの離島だ。

Extreme trip to the land of polar bears. Arctic / “Wrangel Island. Frozen Paradise”

比較的知能の高い動物であったと考えられていてなんと現代のゾウよりも大きな脳を持つ。そして現存する近縁種の行動から、おそらく鋭い記憶力や複雑なコミュニケーション能力、さらには死者を悼む感覚さえ持っていたと予測されることもある。

恐竜と違ってマンモスは既に述べたようにミイラも見つかっている。冒頭紹介のものや、この発見されたもの以外にもどこかにまだ眠っているかもしれない。

The Perfectly Preserved Frozen Yuka Mammoth Mummy – Woolly Mammoth: Secrets from the Ice – BBC Two

みんな毛だらけ? 実は毛無しのマンモスもいる

私たちは一般的に毛の生えたマンモスが氷の大地に生息していると想像していると思う。しかし実は北アメリカのコロンブス・マンモスのように、温暖な気候に生息し、より薄い毛を持つマンモスもいるのだ。

そして毛むくじゃらのウーリー・マンモスとその近縁種であるコロンブス・マンモスは無関係ではない。最近の遺伝子研究ではコロンブス・マンモスのDNAの中にウーリー・マンモスの遺伝子が確認され、この2種の交雑の例が示唆されている。

Primeval [2007- 2011] – Columbian Mammoth Screen Time

なぜ絶滅したの?

恐竜は隕石と隕石による二次被害が現在主流の仮説だ。そしてここまで述べたようにマンモスはその時期とは全く関係がないのである。

ではなぜ絶滅したのか?

マンモスの絶滅は単一の原因ではなく、複合的な要因によって引き起こされたと今は一般的に考えられている。

まずは気候変動。最後の氷河期が終わると地球の気候は著しく温暖化し、広大な氷床が溶けた。この気候変動によりマンモスの生息地であった寒冷な草原の多くがマンモスに適さない森林や沼地へと変化した。

そして人間の活動も影響したかもしれない。初期の人類はマンモスの肉、皮、骨、牙のためにマンモスを狩った。乱獲は特に人間の人口が増加し拡散するにつれて、マンモスの衰退と最終的な絶滅に大きく関係した可能性があると言われている。

生息地の分断と喪失。上記の気候の変化と人間の侵入は生息地の分断と喪失を招き、マンモスの個体数の回復を難しくしてしまった可能性がある。昔の真実はわからないが、こうしたことが現在一般に考えられている絶滅の原因のシナリオである。

最後に。マンモスは人類と一緒に以前生存していた動物だ。もしかしたら今もシベリアやカナダの島の奥地で密かにのんびり暮らしていないかと個人的には期待してしまう。

ビッグフット以上、ニホンオオカミ以下、このくらいの現在での生存可能性はあるんじゃないだろうか。

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