チンパンジー 喋れないだけで殆ど人間みたいな生き物

動物

チンパンジーは動物界で私たちに最も近い近縁種である。DNAの98.8%を共有している。

彼らは15人から150人のメンバーで構成されるコミュニティで生活しているが、そのコミュニティは分裂-融合のダイナミズムを示す。共感、利他主義、協調性など、驚くほど人間らしいさまざまな感情や社会的行動をする。

彼らはさまざまなメッセージを伝えるために、さまざまな発声、顔の表情、体の姿勢、身振り手振りを使い、人間の手話を理解することさえできる。

道具を使うことが知られている数少ない動物種のひとつでもある。その行動は本能的なものだけでなく、学習され、何世代にもわたって受け継がれてきたものだ。例えばある個体群ではシロアリを塚から取り出すのに棒を使い、ある個体群では木の実を割るのに石を使うなど、道具の使い方に独特の「文化的」違いが見られる。

そして彼らは他の類人猿、例えばゴリラなどと比べると比較的攻撃的な側面もある。もちろん普段から怒っている訳ではないが、人がからかったりすると冗談ではすまない。実際に人間が襲われた例も多い。

例えば握力。チンパンジーは赤ちゃんでも握力が人間の成人男子を上回るくらいの70㎏はある。大人はどのくらいか?300キログラムだ。かわいい見た目だが一人一人がUFCのチャンピオンだと思って接するべきだ。

そして決して下の動画のような真似をしてはならない。(さすがにこちらはフェイクだと思うが。笑)

チンパンジーは文化的な活動も多い。グルーミングの方法、求愛の儀式、発声、暴風雨のときに踊る「雨の踊り」など、グループごとにユニークな行動が観察される。

複雑な問題解決や将来の出来事を計画する能力を持っている。たとえば石や棒をかなりの距離まで運び、後で道具として使うために保管しておく様子が観察されている。

人にも記憶力の大小はあるがチンパンジーも同じだ。あるチンパンジーは驚異的な記憶力を発揮した。なんとスクリーンに映し出された数字の位置と並びを、人間よりも速く正確に記憶する能力を示した。

彼らは厳格な菜食主義者ではなく、果物が食事の大部分を占める。しかし葉や樹皮、茎も食べるし、昆虫も食べる。最も驚くべきことに、小型の霊長類に対しては集団で狩りをすることが観察されており、多様な食事をとり、狩りのために協調的、協力的な行動をとることを示している。

多くの動物種とは対照的に、チンパンジーのメスはこの時期に複数のオスと交尾をすることが知られている。

人間と同じように戦争行為を行うことでも知られており、集団間の対立はしばしば暴力的な出会いに発展する。これらの対立は、縄張り争いや資源へのアクセスなど、さまざまな理由による。

さらに、オスのチンパンジーは「チャージング・ディスプレイ」と呼ばれる行動をとることが観察されている。これは、ライバルや捕食者を威嚇する目的で、枝を折ったり石を投げつけたりして自分を大きく見せ、大きな音を出すというものだ。

野生での寿命は平均45年ほどだが、飼育下では60年以上生きることもある。これは、飼育下で提供できる食事、医療ケア、捕食動物からの保護が与える影響の大きさを示している。一方でこのような知的で社会的な生き物を飼育下で飼うことがよいのかと、一部では倫理的意味について現在も議論が続いている。

アメリカ手話を教え込まれたチンパンジーのワシューは、200以上の手話を習得して使いこなし、養子にした息子にまで手話を教え、人間の言語を学ぶ能力だけでなく、その知識を伝える能力も実証した。

彼らはグループのメンバーの死を悼み、喪失感や悲嘆を示す様子も観察されている。

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